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飛鳥千尋のサークルEins:Vierの活動報告と石橋トモ(ともぞぬ)の日記
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2-2

「一人で洗えるのか………えらいね、雛子は」

と、呟いた千影は両手と顎を湯船の縁に預け、雛子が髪を洗う様子を眺めていた。

「ねえたまはどうしてたの?」

千影はその問いには答えずに。

「雛子は………今五歳だったかな?」

もう一度問うた。

「そーだよ?」

―――五歳か。心の中で繰り返す。

「私は………その………兄くん………いや、何でもない」

十歳まで髪を洗ってくれたのが兄、昴であった事。更に三日に一度は一緒に入浴していた、とは流石に言い出せなかった。

 

*

 

「ヒナねえ、知ってたんだよ」

「………何を………かな?」

「ねえたまが時々おるすにしてること………クシシシ」

妙な笑い声を立てる雛子を千影は訝しげに見ていたが。

雛子は鼻歌を歌いながら髪を洗う作業に戻っていた。それを見た千影は背を向け湯槽に背を預ける。

「それは………驚いたね………何故………分かったのかな?」

館の浴場は広く、湯槽は下手な銭湯よりも大きい。

湯煙に隠れた朝日の差し込む窓を眺めながら

答えはなかった。

もう一度言い掛け―――改めて雛子を見やって、止めた。

千影の言葉は無視された訳でなく―――丁度髪を流している所であった。

「………内緒の秘密………と言った所かな………」

返って来る答えを予想して苦笑する。

「ん?ねえたま、何か言った?」

「いや………何でもない………雛子、こっちに来るかい?」

手を差し出す千影の元に。

「うん!」

水飛沫を上げ、雛子が飛び込んだ。

「………飛び込むのは………止めた方がいい………行儀が悪いと………兄くんに嫌われるよ………雛子?」

と、髪の先までずぶ濡れになった千影。

だがその言葉は雛子の耳には届かなかったようだ。顔の水を拭ってふと目の前を見ると既に雛子は数メートル先を泳いでいた。

その先で雛子が振り返る。何やら不満そうな貌。

「ねえたま、なんか冷たいよ、お湯」

「………思ったより………人の話を聞かないんだね………私は………温いお風呂に何時までも浸かっているのが好きなんだよ………」

「あったかくしていい?」

「………まあ………たまにはいいかな………」
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